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共通テスト 倫理 過去問 解説付き 大学入試


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Edukacja
Desenvolvedor: Daisuke Katsuki
Darmowy

【共通テスト「倫理」はこんな問題!】

 ■出題範囲に変化はなく、基本事項に関する設問が中心
 ■具体例や類似の思想を選択する思考力を問う出題傾向
 ■先の解答に応じて次の正解が変わる連動型設問がある

 試行調査を見るかぎり、履修範囲からの逸脱はなく、近年のセンター試験と比べると、基本的な事項や主要な人物についての理解をもとにした設問が多かった。ただし、試行調査は大問4題の間の設問文の分量や出題範囲にやや偏りがあり、資料文の分量にも統一がない。これらに関しては、全体的なバランスのよいセンター試験を参考にしたほうがよいだろう。

 出題内容に関しては、ただ原典資料を読解するというだけではなく、具体例や類似する思想を選ばせたり、現実の事象とどう関係するのかという思考力を問うたりする問題が多い。この傾向は、共通テストにも引き継がれるだろう。

 出題形式で目を引いたものは、連動型設問である。初めて見るととまどうかもしれないが、正解を確定するためには、明確に相異なる選択肢を設けなければならないので、見かけに反して解答しやすい。こうした形式や全体にさまざまな記号が使われていることによる解答しにくさは、模擬試験などを受験することですぐに克服できるはずである。思考力を問う問題に関しては、常日頃の学習時から基本事項や基本的な人物の思想に関する知識を蓄えるのみならず、教科書や資料集のコラムなどにも目を通して、それが現実とどう関係するのかを考えるなどして、思考力を鍛えておく必要があるだろう。

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【センター試験⇒共通テスト ここが変わる!】


●24~27行程度の問題文およびその読解問題はなくなる
●東西思想の比較など、大問や設問の縛りが緩やかになる
●白黒の図版を多用した推論力や想像力を問う設問がある


◆基礎知識の組み合わせで解ける知識系問題の出題がある
◆一貫して会話文や資料文の読解力や応用力が求められる
◆青年期や心理学分野は、思考力が求められる傾向が強い

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【高得点獲得への対策スケジュール】

 倫理には、初めはわからなくても学習が進むにつれ、既習内容がよりはっきり理解できるという大きな特徴がある。それゆえ、出題範囲を何回も見直すのが有効。少なくとも1学期・夏休み・2学期ごとに学習範囲を一巡し、試験までに最低3回は全範囲を見直すという学習計画を立てよう。

 具体的には、1学期は教科書の通読、夏休みは一問一答集で知識の定着と確認(知識の漏れや理解不足は、教科書の該当箇所を精読する)、2学期は共通テストで出題される可能性がある形式の問題に慣れるために、市販の共通テスト対策問題集や各種模試を利用して全範囲を復習していくという計画にすれば、全範囲を3回は見直すことになるはずだ。


●1学期は思想史分野をメインに、教科書を精読していく
●夏休み終了までに、知識問題の正答率を8割以上にする
●複雑かつ面倒な出題形式の対策は、2学期に集中して行う

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【共通テストで成功する学習法】

①教科書の読解が基本。不明な言葉は国語辞典で確認
 教科書を流暢に音読できれば高得点がとれる。なぜなら、流暢に読めるのは、読んでいる途中で次に来る言葉を予測できているからであり、予測できるのは、知識が有機的に身についているからだ。しかし、誰もが、初めから流暢に音読できるわけではない。読めない言葉は国語辞典で調べるなどして読めるようにしよう。


②重要語の丸暗記ではなく、具体例に即して理解する
 共通テストでは、より一層の理解力が問われるだろう。つまり、倫理を学べば当然知っているはずの基本的な知識を応用して、現実の問題をどれだけ深く考えられるかということが求められる。例えば「デカルト=演繹法」という知識よりも、演繹法を使って議論を組み立てられるかが重視されることを肝に銘じておこう。


③問題演習の解説を読むときは、着眼点に細心の注意を払う
 問題解説の「カントは人格を手段としてのみ扱うことを禁じた」という文章をみると、多くの人が「手段」にばかり注目する。しかし、重要なのは「のみ」だ。カントは人格を100%手段として扱うことを禁じたのだ。試験はこうしたところを問うてくるので、問題演習の際は「何が解答のカギになるのか」を常に意識しよう。

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◇皆様のご健闘をお祈りします◇